1日4リットルの水を飲み続ける。その結果「体重増加」「体のだるさ」「不安感の増大」などが発生。これらは、すべて過剰な水分摂取で起こる症状なんですね。1日の適切量は「1.0~1.5リットル」です。
この記事では、
・1日4リットルの水を飲み続けた結果起こった身心の変化
・必要な1日の水分量
・1日4リットルの水を飲み続けた女性に指導したこと
などを解説します。
今回の記事の内容
1日4リットルの水を飲み続けた結果起こった身心の変化
1日4リットルの水分を飲み続けた結果、起こった身心の症状は以下の通り。
・心拍数がすぐに上がる+息が切れやすい
・疲れやすくなる
・体重が増加
・不安感の増大
・肌の色が黒ずんでくる など
現場で相談された40代女性の実例をご紹介します。
心拍数がすぐに上がる+息が切れやすい
1つ目が、
少し動くだけで、心拍数がかなり上がる
ということ。
40代の女性は、簡単な体操を10秒程度行うとすぐに息が切れ始めました。水分を1日に4リットル摂取すると、体内はその処理に追われて以下の変化が起こります。
・自律神経のバランスが乱れる
・交感神経が優位になる
・興奮状態になる
・血管が細くなり、血流が悪くなる
・体内が低酸素状態になり、栄養も運びづらくなる
・その結果、動くとすぐに心拍数が上がる
問題なのは、体内で活用できる酸素量の低下。血管が細くなると、心臓の拍動数を上げて全身に血液を送る必要が出てきます。だから少し動くだけですぐに息切れを起こし、心拍数も急激に上がるという反応が見られました。
疲れやすくなる
2つ目が、
すぐに疲れてしまう
ということ。これは上記と似てますが、主に仕事中に感じていたそうです。
40代の女性は事務職で、1時間仕事をすると強い疲労感に襲われます。これも水分の多さが問題。
・余分な水分が、体内に過剰にある
・水分を処理しようと体内が過度の働く
・自律神経のバランスが乱れる
・血管などが細くなる
・循環が悪くなり、老廃物が体内に滞る
・疲労感が強くなる&疲れやすくなる
こういったことが考えられます。
体重が増加
3つ目は、
体重が急激に増加する
ということ。
クライアントさんは、6ヶ月間1日4リットル生活を継続。体重が9kg増加し、水太り状態。
・体内の水分量が増えて体重が増加
・体温が下がり、基礎代謝も大幅に下がる
・普段の食事量が同じでも体重が増える
水分量を増やすと疲労感が増し、疲れを癒すために「甘いもの」の間食が増加。悪循環に陥り、体重が増えていました。
不安感の増大
4つ目は、
イライラや不安感の増大
です。
水分量の増加と精神面の関係は、以下の通り。
・水分を過剰に摂る
・体内の水分量が増加し、処理に追われる
・体内が過剰に働き、自律神経のバランスが乱れる
・交感神経が優位になり、興奮状態になる
・アドレナリンやノルアドレナリンの分泌量が増加
・これらのホルモンによって、不安感やイライラが増す
不安感やイライラの増加は、「水分」「食べ物」などの影響を受けることはよくあります。
肌の色が黒ずんでくる
5つ目は、
肌の色が黒ずんでくる
ということ。
水分を摂りすぎると、肌の色が変化することがあります。別のクライアントさんですが、ダイエット前後で肌の色が変化しました。
これも血流が関係していると考えられます。水分の過剰は、肌質・肌色などを変える可能性があります。
その他にみられた症状
その他にみられた症状は、以下の通り。
・やる気があまり起こらない
・体がかなり硬い
・寝つきが悪いし、1時間おきに目が覚める
・ウエストが10cm以上太くなった
・朝目覚めたときからだるい
・手足が常にパンパン
・記憶力が悪くなった など
水分の摂りすぎで見られた症状は、
・身体の部分的なたるみ
・冷え性、低体温
・肩や首などのコリ
・腰痛や膝痛などの痛み
・頭痛や吐き気
・免疫力の低下
・精神的な不安定さ
・全身のむくみ など
さまざまな症状を引き起こします。
では、1日どのくらいの水分量を摂ることが適切なのでしょうか?
1日の水分摂取量の目安
僕が参考としているのは
結論から言えば、
1日1,100ml ~ 1,600mlが適量
です。
これは「「水分の摂りすぎ」は今すぐやめなさい」の著者である、石原結實先生の考え方を参考にしています。
この数値に至る考え方は、以下の通り。
1日の水分排出量
1日で体内から出ていく水分量は、このようになっています。
肺 | 400ml |
皮膚 | 600ml |
小・大便 | 1,100~1,600ml |
合計 | 2,100~2,600ml |
“運動をしない状態”で、これだけの水分量が自然に体外に出ます。もし運動する方は、発汗量にあわせて上積みされるんですね。
1日の水分摂取量
“飲み物以外”で摂取している1日の水分量は、以下の通り。
食事 | 800ml |
代謝水 | 300ml |
合計 | 約1,100ml |
※代謝水というのは、脂肪や糖質などを分解するときに出る水分のこと。
1日の水分排出量 | 2,100~2,600ml |
1日の水分摂取量 | 1,100ml |
差 | 1,000~1,500ml |
運動をしていない方の1日の水分量は、
約1.5リットル前後が目安
です。
汗をかく習慣がなかったクライアントさんは、1日4リットルの水分量は過剰。不調が出るのは、ある意味当然でした。
では、水分過多で不調などが出ている場合はどう対処すればいいのでしょうか?
1日4リットルの水を飲み続けた女性に指導したこと①:サウナスーツを着て体操+有酸素運動で汗をかく
まず最初に行ったのは、サウナスーツを着て体操。具体的な内容は、以下の通り。
1、胸を出し入れする
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、胸を突き出し、肩甲骨を寄せる
3、胸にしわをよせ、肩甲骨を離す
4、1分間行う
2、その場で弾みつつ前方をパンチ
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、その場で小さく弾み、前側をパンチする
3、1分間行う
3、腕回し
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、膝を屈伸させつつ、身体の前で腕を回す
3、1分間行う
4、その場で弾みつつ前方をパンチ
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、その場で小さく弾み、前側をパンチする
3、1分間行う
間に休憩をはさみながら実施。こういった体操で、発汗量を増加させる。1日で-1.6kgすることもありました。
1日4リットルの水を飲み続けた女性に指導したこと②:サウナスーツを着てサーキットトレーニング
続いては、サウナスーツを着た状態でサーキットトレーニングを実施。具体的なメニューは、以下の通り。
1、四つ這いで腕立て伏せ
1、地面で四つ這いになる
2、軽く脇を締め、肘を曲げて体を下げる
3、肘を伸ばし、身体を上げる
4、10回行う
2、その場で軽くジャンプ
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、その場で軽くジャンプを30秒間行う
3、椅子から立ち上がり+座る
1、椅子に座り、軽くへそを前に突き出す
2、顔を前に送り、身体をお辞儀させる
3、椅子から立ち上がる
4、軽く膝を曲げつつ、椅子に座る
5、10回繰り返す
4、その場で軽くジャンプ
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、その場で軽くジャンプを30秒間行う
5、椅子を使って肘の曲げ伸ばし
1、椅子に座り、手を腰幅で置く
2、軽く脇を締め、膝を90度に曲げる
3、椅子からお尻を浮かす
4、身体を真下に下ろすように、軽く肘を曲げる
5、肘を伸ばして、身体を持ち上げる
6、10回繰り返す
6、その場で軽くジャンプ
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、その場で軽くジャンプを30秒間行う
サーキットトレーニングで、さらに発汗量を増加させます。
1日4リットルの水を飲み続けた女性に指導したこと③:自宅でも発汗量を増やす
自宅で行ってもらったのは、以下の通り。
厚着でウォーキングなどを行う
厚着をしたりサウナスーツを着て、
・ウォーキング
・ジョギング
・部屋の掃除
などを行ってもらい、発汗量を増加。
お風呂やサウナで汗をかく
運動以外では、
・お風呂に長時間浸かる
・サウナや岩盤浴に行く
などで発汗し、余分な水分を排出。
1日4リットルの水を飲み続けた女性に指導したこと④:1日1~1.5リットルに水分を控える
さらに行ったのは、
1日の水分摂取量を1~1.5リットルに控える
ということ。
ここまでお伝えしたことを実践し、3ヶ月間で出たクライアントさんの変化は以下の通り。
・体重が約7kg減る
・1週間で心拍数が上がりづらくなった
・疲労感やだるさも日を追うごとに軽減
・不安感やイライラが軽減し、精神的に安定した
・むくみが軽減し、身体が柔らかくなった
・食欲が以前よりも減り、食べる量が減った
・体も軽く、毎日健康で快適に過ごせている など
過剰な水分摂取は不調の原因になる可能性があるので、避けた方が良さそうです。
絶対やめて!1日4リットルの水を飲み続けた結果起こった身心の変化のまとめ
この記事では、1日4リットルの水を飲み続けた結果起こった身心の変化について解説しました。
・水分の摂りすぎは、自律神経のバランスを乱す
・その結果、さまざまな不調が出る可能性
・適切な1日の水分摂取量は、約1.5リットル前後
・クライアントさんの場合、水分を減らすと3ヶ月で-7kg
・身心の不調が改善した
特にダイエット中やモデル体型を目指す方、過剰に水分を摂りがち。気持ちはすごくわかります。ただそれが、マイナスの結果につながる可能性もあるんですね。ですので、過剰は水分摂取は控えてほしいなと思います。
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